2030年以降を見据えた
日本鉄鋼連盟の長期温暖化対策ビジョン
2014年11月、日本鉄鋼連盟は、2030年を目標とした「低炭素社会実行計画フェーズII(現カーボンニュートラル行動計画フェーズII)」を公表しました。同計画は、パリ協定に基づく我が国の2030年目標にも反映されており、日本鉄鋼連盟加盟各社は、その達成に向けて不断の努力を行っています。
一方2015年に採択されたパリ協定では「世界的な平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分下方に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」が到達目標として示されました。そこで、日本鉄鋼連盟は、2030年以降を見据え、最終的なCO2排出ゼロを目指した「長期温暖化対策ビジョン-カーボンニュートラルへの挑戦-」(鉄連長期ビジョン、本文 、概要 )を2018年11月に策定、公表しました。同ビジョンでは、鉄鋼製造における2℃シナリオ達成の見込みを示すとともに、1.5℃シナリオへの革新技術の必要性を示しました。
鉄連長期ビジョンではまた、最終的にCO2排出ゼロの鉄鋼製造に向けた日本の鉄鋼業における道筋を描いています。その道筋は既に着々と開発が進んでいるCOURSE50プロジェクトからステップアップして、高炉での極限までの低CO2排出を目指したSuper COURSE50、さらには究極のCO2排出ゼロ製鉄技術である水素還元製鉄へと進むものです。
さらに、日本鉄鋼連盟では、2021年2月15日、我が国の2050年カーボンニュートラルに関する日本鉄鋼業の基本方針を発表し、当連盟は我が国の2050年カーボンニュートラルという野心的な方針に賛同し、これに貢献すべく、日本鉄鋼業としてもカーボンニュートラルの実現に向けて、果敢に挑戦することを宣言いたしました。
本「カーボンニュートラルへの挑戦」では、日本鉄鋼連盟がカーボンニュートラル実現に向けて進めるべき技術開発について、その内容と現状を紹介していきます。
※図を拡大して見ることができます。
カーボンニュートラルとは
現在の鉄鉱石からの鉄鋼(スチール)の製造には石炭等の化石資源が必要で、CO2が排出されています。カーボンニュートラルに向け、この鉄鋼製造におけるCO2排出をゼロにする、究極の低炭素スチールを目指します。
ビジョン
カーボンニュートラル実現に向けた課題とそれに対する挑戦を紹介します。
日本鉄鋼連盟会員各社の取り組み
日本鉄鋼連盟会員各社のカーボンニュートラルへの取り組みをご紹介します。